最終更新:2017-07-12 (水) 07:23:56 (490d)

チュートリアル

チュートリアル/LaTeXでプレゼン資料

全般的に言えること

もともと日本語を使うことを想定していません.
upLaTeX を使うことができないとか、日本語クラスを使うことができないなどの問題があります.
でも、なんとか一工夫すれば upLaTeX でもこれらのプレゼンスライド用の パッケージを使うことができるでしょう.

まず、一番最初に考慮した方が良いと思われるのは書体です。
bxjsarticle などの日本語用の クラスファイルを用いることが出来るならば、それ程 不便に感じることもないと思いますが、\sffamily や verbatim 環境で日本語が 明朝体になってしまう場合はこれらを適切に再定義すれば良いのですが、 大抵の場合、プレゼン用のスライドで、和文書体に明朝体を使わない事が多いので、和文はすべてゴシック体に変更するということも可能です。
ですから、次のような記述を原稿の先頭に追加するだけで、文書のすべての 日本語がゴシック体になります。

\AtBeginDocument{%
  \renewcommand\mcdefault{gt}%
  \kanjifamily \gtdefault \selectfont 
}

念のため、ユーザーによる \mcfamily や \textmc が使用されても大丈夫な 用に \mcdefault を gt に再定義しておきます。\AtBeginDocument を使って 和文にはゴシック体を使うように選択します。

beamer

beamer は pdfLaTeX, LuaLaTeX, XeLaTeX, dvips で使うことを想定しているが、dvipdfmx でも動作する。
TeX Live または W32TeX をインストールすれば beamer もインストールされる。

uplatex + ptex2pdf を使う場合は適当に Makefile なり shell スクリプトなりを作成しておけば良いだろう。

#!/bin/sh
uplatex -synctex=1 "$1" && \
ptex2pdf -u -l -ot "-synctex=1" "$1"

powerdot

PostScript special 依存で portable ではないかもしれないが、表現力豊か。

TeX Live または W32TeX をインストールすれば powerdot もインストールされる。
$texmf-dist/doc/latex/powerdot に powerdot-example1.tex なる ファイルがあるので

cp powerdot-example1.tex ~/

等として、適当にホームディレクトリにコピーする。
PDF への日本語しおりを含めるために、 hyperref と日本語 のページに見られるように、別途 Postscript ファイルに処理を施す必要がある。
TeX Live には日本語のしおりの文字化けを防止するスクリプト convbkmk が含まれているので

#!/bin/sh
uplatex -synctex=1 "$1" && \
uplatex -synctex=1 "$1" && \
dvips -Ppdf -z -f "`basename "$1" .tex`.dvi" | \
convbkmk -u > "`basename "$1" .tex`.ps" && \
ps2pdf "`basename "$1" .tex`.ps"

のような シェルスクリプト hoge.sh でも作成し、

./hoge.sh powerdot-example1

と実行する。
要するに

uplatex -synctex=1 file.tex
uplatex -synctex=1 file.tex
dvips -Ppdf -z -f file.dvi | convbkmk -u > file.ps
ps2pdf file.ps

を実行する。
最新版の Ghostscript を使用すれば ps2pdf で日本語 TrueType フォントを Type3 化せずに埋め込むことができる。
最悪の場合は、Ghostscript の Postscript から PDF の変換の段階でこける。
普段はコンパイルが通るかどうかを確認する だけで良いので

uplatex file

としておく。
Postscript special に依存しているため xdvi や dviout 等の dviware ではプレビューできない。
プレビューする場合は Postscript または PDF に変換してからプレビューする。

適当に好きなフォントを選ぶと良いが、最低限

\usepackage{type1cm}

として、Type1 の Computer Modern フォントを使うようにすると良いだろう。

PDFscreen

結構気楽に使える (PSTricks は使っていない)。
TeX Live をインストールすれば PDFscreen もインストールされる。
W32TeX の場合は PDFscreen がインストールされていないので CTANPackage:pdfscreen からダウンロードして、インストールする。
pdfLaTeX, LuaLaTeX で使うことを 想定しているため、日本語を使用する場合は LuaLaTeX + LuaTeX-ja を使用する。
PDF ファイル作成は hyperref を使用するため

lualatex file
lualatex file

のように lualatex を2回通すという流れになる。

クラスファイルではないので LuaTeX-jaの ltjsclasses など、和文用の クラスファイルが使用できる。

以下の作業は原稿 file.tex ですること。
まずは

\documentclass[a4j,20pt,landscape,papersize,pdftex]{ltjsarticle}

として 用紙サイズ、フォントサイズ、用紙方向などを決定し、LuaTeX-ja の日本語用クラスファイ ルを指定する。
クラスファイルへの任意引数の最後には pdftex としてデバイス ドライバを指定する。
次に依存するパッケージを適当に選択する。

\usepackage{color,graphicx}
\usepackage[pdfencoding=auto]{hyperref}
\usepackage{type1cm,xspace,colortbl}
\hypersetup{%
  pagebackref,pdfpagemode=none,colorlinks,pdfmenubar=false,%
  pdftoolbar=false,pdffitwindow=true,pdfcenterwindow=true,%
  pdfwindowui=false,menucolor=menucolor,pdfview=Fit,pdfstartview=Fit}
\usepackage[screen,panelleft,gray,paneltoc]{pdfscreen}

必ずpdfscreen パッケージを読み込む前に hyperref パッケージを読み込むこと。
そして hyperref の設定をする。

背景画像を適当に選択する。

\overlay{overlay1}

選択しないとデフォルトの PDF が選択されるはず。

用紙サイズやマージンの設定を適当やる。

\screensize{\the\paperheight}{\the\paperwidth}
\marginsize{2.5truein}{.5truein}{.5truein}{.5truein}

後は適当に

lualatex file
lualatex file

などとすればよいことになる。

背景画像は PDF で指定します。

実例の紹介

私は面倒な事が嫌いなので,出来る限り簡単にやりたいと思っています.
一番簡単だなと思ったのは pdfscreen を使う方法です.

まず,ヘッダには次のように定義します.

\documentclass[a4j,20pt,landscape,papersize,pdftex]{ltjsarticle}

\usepackage{newpxtext,newpxmath}
\usepackage{calc,color,graphicx,xspace,comment}
\usepackage[pdfencoding=auto]{hyperref}
\hypersetup{
  pagebackref,pdfpagemode=none,colorlinks,pdfmenubar=false,
  pdftoolbar=false,pdffitwindow,pdfcenterwindow,pdfwindowui=false,
  menucolor=menucolor,pdfview=Fit,pdfstartview=Fit,backref}
\usepackage[screen,panelleft,gray]{pdfscreen}
\usepackage{verbatim}
\overlay{overlay1}%1--10
\screensize {\the \paperheight} {\the \paperwidth}
\marginsize {2.5truein} {.5truein} {.1truein} {.1truein}% lrtb

% ゴシック + サンセリフが基本書体になります
\AtBeginDocument{%
  \renewcommand\mcdefault{gt}%
  \kanjifamily \gtdefault \selectfont}

% slide 環境 = \susection
\let \slide = \section
\let \endslide = \newpage

% subslide 環境 = \subsection
\let \subslide = \subsection
\let \endsubslide = \newpage

% abstract 環境は出力しない
\let \abstract = \comment
\let \endabstract = \endcomment

\begin{document}

このように定義しておきますと,\section と \newpage にて一番上の 見出しを出力したいときは slide 環境,二番目の見出しを出力したい ときは subslide 環境を使えば良い事になります.

そうすると \begin{document} 以降の記述は例えば次のようになります.

\author {A. U. Th\'or}
\title  {This is A Very Simple Sample Presentation File}
\date   {\today}
\maketitle \newpage

\def \contentsname {内容} 
\tableofcontents \newpage

\begin{abstract}
ここに適当な概要を記述する.しかし, comment 環境を使った事と同じに
なるので,実際には出力されない.
\end{abstract}

\Large % ちょっと大きめのフォントサイズ

\begin{slide}{概要}
 \begin{itemize}
  \item コレコレでアレアレ.
  \item アレアレでソレソレ.
  \item ソレソレでドレドレ.
 \end{itemize}
\end{slide}

\begin{subslide}{概要とは}
 \begin{itemize}
  \item 簡潔にその文書をまとめたもの
  \item 適当に書けば良い
  \item 一段落程度で良い
 \end{itemize}
\end{subslide}

\end{document}

と,こんなに簡単になりました.

参考リンク